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トップページ > お知らせ一覧 > 愛陶語録 2020/10/22(木)

愛陶語録
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 なにしろ根がずぶの素人の陶作家、固より何の教養もあろうはずもなく、はじめは随分気のひけたものである。今でこそ、素人なればこその見識をそのまま仕事に打ち込むことができるのだ、などと言えるようになった。
 それもそのはずである。最初のアマチュア時代が四十代で、それから三十年も経っている。遅れ過ぎて競走するのは全くいやになってしまう。
 正直なところ、年甲斐もないのが先ずきまりが悪い。かと言って、他にこれという能もないのが因果、恥を忍びつつやっているまでだが、決して心中大きな顔はしていないつもりである。だが、なんとしたことか、持って生まれた美食道楽がおのずと限りなき欲望を生み、美しく楽しめる食器を要求する。即ち、料理の着物を、料理の風情を美しくあれと祈る。美人に良い衣裳を着せてみたい心と変りはない。この料理の美衣をもって風情を添えることは、他人はどうあろうと、私にはかけがえのない楽しみである。
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